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岡井隆歌集(短歌研究文庫、昭和五十七年。申し譯ないことに古本です)讀了しました。見榮を張つて僕は、この他にも歌集を数册買ひ込んでゐますが、通讀出來たのは笹師範の「念力図鑑」を除いてはこれがはじめてです。短歌といふものは、大抵短い1行か2行ですが、それぞれに獨立した詩の一作品であるともいへます。ですから、讀み進んでいくうちに壓倒されて—といふよりは、倦んでしまつて—なかなか普通の讀書のやうにはいきません(根氣がないことの言ひ譯ですが)。しかし、これは讀ませました。
ところでこれを讀んでゐて氣がついたのですが、まづ初期歌集「O(オー)」は正かなづかひです。しかしその後、「斉唱」「土地よ、痛みを負え」「朝狩」「木曜便り」「眼底紀行」「天河庭園集」迄は新かなづかいとなり、「鵞卵亭」で正かなづかひに戻り、そのまま「歳月の贈物」「マニエリスムの旅」と續いてこの本は終はるのです。ただし「詞書」などに相當する部分は、後の方でも新かなづかいでした。 歌人は、何を思つて、表記を變へていつたのでせうか?まあ本を上梓する場合には編輯側の意向といふのも關聯するさうなので、歌人だけの問題ではないのかも知れませんけれども。今手近にある「短歌研究」誌を開いてみても、岡井さんは投稿作品への評言も、評論記事も正かなづかひで書いていらつしやいます。ついでにいへば、短歌のみならず記事迄も正かなづかひを使つてゐるのは、この雜誌内でも珍しいです。これはやはり、さうでなければならないと、かなり意識していらつしやるのでせう。 カウンタアに思わず歩み寄りていつ赤間の声は燃ゆるごときに 「斉唱」からの一首、表記は原書どほりの新かなづかいです。これ、僕ははじめ、「カウンターに思はず歩み寄つて、赤間の聲は何時(いつ)燃えるやうな感じに(なつたのか)」と讀んだのですけど、考へてみればこれは「カウンターに思はず歩み寄つてゐた。赤間の聲は燃えるやうな感じに(なつたから)」のはうが、(句切れの點からしても)正しいのでせう(これでもつかみきれてゐるか、まだ不安ですけど)。「いつ」のところで、解釋がつかない譯です。勝手な想像ですけど、この邊のやりづらさが、短歌にはそぐはない、と岡井さんは考へられたのかも知れません。 長くなりました。最後に、好きだ!と思つた歌を。 全地球を というような把握をおろかしく避け初めしより幾年経たる (岡井隆さん・表記原文のまま、ただしルビは省かせていただきました)
by gcsc
| 2007-03-15 00:41
| 文字と言葉に關する雜感
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