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とり・みきさんの傑作コミック「吉田さん危機一發」は、007もののパロディシリーズであり、最終章は「カジノ・ロワイヤル」です。ですからこの度封切になつた映畫「カジノ・ロワイヤル」はてつきりリメイクだと思つてゐたのですが、さうぢやなかつたんですね。映畫館で買つてきたパンフレットによると、1967年に(うわ、僕の生まれた年ぢやないか)「カジノ・ロワイヤル」といふ映畫が公開されてゐるのですが、この作品はそれこそ007シリーズをパロつた映畫であり、正規の007シリーズには入らないもののやうです。
さう、12月29日のレイトショーで、僕はなんとか年内に007最新作「カジノ・ロワイヤル」を觀ることが出來ました。僕は普段はほとんど映畫を觀ないのですから、他の映畫と比較してこの映畫がどんな出來か、なんて判斷は出來ません。そこで以降「感想」を2、3點書いておきます。ネタバレ的なところがあるので、久しぶりにMore機能を使ふこととしませう。 (くどいやうですが、ネタバレ注意!) ●まづ、面白い映畫で大滿足、なのですが、少し長過ぎるやうな氣が、僕にとつてはしました。まあ、ジェームズ・ボンドが惱み乍らダブルオー要員になつていく、といふテーマがある爲、從來の作品とは違つて心理描寫を多く入れる必要があつたのでせう。 それにしてもボンドがああも簡單に毒を盛られるといふのは少し驚きました。そのへんも、驅け出しだつたから、なのかな? ●ジェームズ・ボンド役は代はる度になんか言はれるのは宿命ですね。でも、リヴァプール生まれの青い眼の俳優、ダニエル・クレイグ氏演じるところの、短髮のボンドもかつこよかつたです。それと「M」のジュディ・デンチさん。よーく見るととても美人。 ●お約束のオープニング、狙ひ定めた銃口の向かうからボンドが撃ち返すシーン、ここの今迄にないスピード感には度膽を拔かれました。そしてテーマソング「You know my name」(よく考へたらこの曲名迄もが伏線)とともに、トランプ(といふより、プレイング・カードと言つたはうが正確かな?)をモチーフにしたアニメが流れます。これが出色の出來。泣きさうになりました。しかも、ここでお色氣全く無し。そこにも、今迄とは違ふボンド映畫を作らう、という意氣込みが感じられました。 ●今迄とは違ふといへば、ガジェット類がほとんど出てきません。携帶電話は特別仕樣のやうですが。名車アストン・マーティンも、横轉すれば普通にぶつ壞れます。ですのでQは出番無し。それと、これは驚くべきことに、マネーペニーさんも出ません。 ●すつきりしないところでバツッと終はるのは「次囘作があるよ」といふことを暗示するとともに、これまた新しいチャレンジだと思ひました。この手法は、受け繼がれていくことになるかも知れません。 (あとでもう少し追加するかも知れません)
by gcsc
| 2006-12-31 12:54
| 見聞録
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